「競争の中で鍛えられたほうが上達する! クラブチームは指導力が違う」という言葉を聞いた事がありますが、そもそも指導力って何でしょうね…
慶應義塾高校・監督の森林さんの著書「Thinking Baseball」には、次のように書いてありました。
ーーここから引用ーー
そもそも子どもは、自然と成長していくものです。
時折、「あの選手は俺の教え子だから」といった態度を取る指導者がいますが、
それはまったくの見当違いで、子どもの心身は未熟な部分が多いからこそ
伸びしろがあり、大人が特に手をかけなくても成長していきます。
大人の役割は、その成長の邪魔をせずに手助けすること。
これがとても大事です。
多くの大人が良かれと思い、子どもにあれこれ手を出しがちですが、
それは逆に子どもの成長を阻害しているのではないでしょうか。
もちろん、すべての指導者が子どもの成長を阻んでいるとは言い切れません。
しかし、手をかければかけるほど良くなるという簡単なものではなく、
「指導することが成長の邪魔になっているのではないか」という意識をもつ
必要性は日々の指導の中で感じます。
例えば、投球フォームの指導。いじることで良くなることもあるかもしれませんが、
逆に悪くなってしまう可能性もある。指導者はそういう事態、状況に対する恐怖心を
常に持っておかなければいけません。
(中略)
もちろん、私自身も試合には勝ちたいです。
しかし、それと引き換えに何もかも切り捨ててよいというものでは、決してありません。
欲張りかもしれませんが、一人ひとりの選手もチームもいろいろな意味で成長させながら、
勝利という結果を目指すべきです。
選手から勉強する時間まで奪い、まるでサイボーグのように野球だけをやらせて
結果を残したとしても、その選手の最後の夏が終わったときに何も残っていないという人に
なってしまうのだとしたら、それは大変罪深いことです。
高校野球ができるのは15歳から18歳の約3年間ですが、その先に60~70年に及ぶ
長い人生が待ち受けています。
その60年、70年に大変な影響を与えてしまうという自覚を持って指導しなければいけません。
「野球だけやってればいい」
こんな言葉が日常的に耳に入る環境にいると、本当にそう思いこんでしまう選手が出てきても
不思議ではありません。そうなると短期的な野球の結果は出しやすくなっても、
その選手自身の人生の選択肢や可能性を狭めてしまうだけです。
本当に選手ファーストで物事を考えているのであれば、そんなことは絶対にできないはずです。
ーーここまで--
一昔前なら、子どもの自主性や考えを無視して、型にはめて
「オレの言う通りにやれ!オレの言うことを聞かないと試合には出さないぞ」という指導もありかもしれませんが、…それは子供達の本当の成長につながらないですよね。
■野球ノートで自分の考えを書き残す
入部後に書き始めたトモの野球ノートは4冊目も終わり近くになりました。
4冊のノートを先生が製本して1つにまとめてくれてますので、いつでも読み直すことができます。
読むと「ずいぶんと色々なことを考えて野球をしているなぁ…」と感心します。
書いている事がたとえ間違っているとしても、自分のアタマで考える習慣は、野球だけでなく今後の人生に役立つはずです。
自分の考えを整理して文字にして野球ノートに書いて週に一度先生に提出すると、赤ペンで先生がコメントを書いたり、参考になるプロ野球選手のフォームの写真などの成長のヒントになるような資料が貼り付けて返却されてきます。
ワタシが顧問やったら、めんどくさくて、ようしません。
野球部の顧問の先生には、本当に素晴らしい指導をして頂いてると思います。感謝しかありません。
野球ノートに書いてる4打席目