2014年12月6日土曜日

寄生虫なき病

図書館で借りてきた本を読んでます。
途中までしか読んでませんが、めちゃ面白い。
何人もの研究者が自分から寄生虫に感染して研究してはります。
 
人類誕生のころからずっとお腹の中にいた住人が急に居なくなったら、アレルギー反応が出始めたという仮説は正しい気もしますが、人体の複雑なメカニズムなんて誰にも解明できないので、結局は信じる者は救われるということなのかな??
早く最後まで読まねば…
 
立ち止まるものは絶滅するという 赤の女王仮説(Wikipediaへリンク)って初めて知りました。
---寄生虫なき病より転載(P.142~143)---
進化という観点からみれば、アレルギー疾患多発の原因は(太古の昔から人類の身近にいた)チリダニやゴキブリのタンパク質ではないのかもしれない。その原因はむしろ、我々に走したタンパク質を許容するように教えてくれていた本物の寄生虫が突然いなくなってしまっとことにあるのかもしれない。

これが赤の女王の遺産である。ヒトは同じ場所に居続けるために全速力で走り、ヒトの寄生虫もヒトにぴったりとついて走ってきた。寄生虫はヒトに自分の存在を無視してもらえるように全力を尽くし、ヒトは寄生虫を追い出そうと全力を尽くしてきた。遠目には、この闘いは膠着状態に見えただろう。だが、見かけ上の静止の陰には息詰まる緊張状態が隠されていた。だから、寄生虫が撤退したとき--もっと正確に言えば、駆逐されたとき--、ヒトの寄生虫検知機能は制御不能に陥ったのである。 
----ここまで----
 
 
私自身はコレ読むと、お腹の中に鉤虫(寄生虫)がいた方が良いかな…と信じちゃいますが、
花粉症患者と喘息患者に鉤虫10匹に感染される実験では安全性は証明されたものの、実験結果は芳しいものでは無かったそうです。
症状のごくかすかな改善が認められたものの、その度合いは誤差を否定できないほどわずかだった。それでも被験者らは花粉症の症状がよくなったと言って大喜びし、実験終了時には、多くの被験者が鉤虫を駆除しない選択をしたそうです。

感染期間が短かったのか?
寄生虫の数が足りなかったのか?
子どもの頃から何度も寄生虫に感染繰り返す必要があるのか?

動物実験ではあきらかに効果が見られたが、実験で効果がでなかった原因は不明だそうです。
発症を抑える事はできても、すでに発症したものを治療できるとは限らないとも考えられるらしい。


子どもの頃の「落とした食べ物も3秒以内に食べればセーフ」という3秒ルールで子どもの頃から不衛生なものをお腹に定期的に入れるのは日本人の知恵かもしれません(笑)